~センバツ聖隷クリストファーの落選~ 子どもたちへ説明を

選抜高校野球大会に東海大会準優勝の聖隷クリストファー高校が選ばれなかったことは、私自身も同校の出場を確信し楽しみにしていただけに、大きな驚きでした。浜松の多くの皆様からも疑問や怒り、動揺の声が届いており、この問題を政治マターにするべきではないとは認識していますが、高校野球を応援する者として文部科学省はじめ関係各所に地元の声を伝えました。

昨日既に、末松文部科学大臣による会見、また主催者の一員である毎日新聞社も朝刊にて、選出経緯等を説明しています。

●「秋の地区大会は一つの参考資料であって本大会の予選ではない」

●「勝敗のみにこだわらずその試合内容などを参考とする」

●「主催者の選考委員会が責任を持って判断されたもの」

高野連によるセンバツの認識は、「新しい大会は夏の選手権大会とは違い、予選で不本意に敗れたチームや地区のレベルが高くて檜舞台への道が閉ざされている強力なチームが参加する大会を目指した。野球界の先輩で構成する選考委員会を設け、技量、品位にも優れたチームを全国から選んで戦わせるユニークな方針を打ち出した」(日本高等学校野球連盟70年史より)との背景があるとのことです。また、

●同一の県からの選出については判断材料ではなく、今回も広島県、和歌山県等からは2校が選出

●ブロック大会の準優勝校以外の高校が選抜大会に出場した例は過去二回のみ(第75回大会、第81回大会)とのことでした。

しかしながら、出場枠、選定基準についての明確な説明にはなっておらず、関係者、特に出場を心待ちにしていた選手、生徒への説明が必要です。

21世紀枠等も創設された中、強いチームが選ばれるのか、勝負よりも優先される項目があるのかの基準も不明確です。ルールに従って競い合うスポーツの世界において、勝敗による順位は皆が納得する価値観となります。今回、東海地区において優勝校、準優勝校に加えて3枠目を選定してもらえたならば、波紋は広がらなかったことと思います。

また、地区ごとの割り当て枠についても、議論の余地があると思います。例えば、学校数がほぼ同じである東海地区は2枠、中国・四国地区は5枠となっています。これまでの歴史や経緯があるとしても、全国の多くの学校がスポーツに励み、実力も均衡する中、適正な配分も期待したいです。

高校野球の歴史と伝統、人々に与える爽やかな感動を守るためにも、皆が納得する公平で透明性のある選考基準、大会の開催方法の検討が求められています。

主催者側には、複雑な気持ちを心に秘めて練習に励んでいるであろう子どもたちに、丁寧な説明を求めたい。

そして、夏の大会に向け、総力で勝利を勝ち取る聖隷クリストファーの試合を見たいと期待しながら、選手たちにはこれまで以上の力強いエールを送りたいと思います。